パチンコ業界の消費税増税対応 〜桐島、パチスロやめるってよ〜
「桐島、パチスロやめるってよ」
どうやら桐島くんがパチスロを辞めるらしいです。パチンコ業界ではこの話題で持ちっきり。どうやら、消費税増税が関係してるらしい・・・
ユーザー視点
「消費税上がるからパチスロやめるって、マジ意味分かんねーし。」「ってか、消費税払ってなくねー」
消費税きっちり負担してます。
例えば、あるホールの1日の売上(注)が1,000,000円、消費税は現行の5%とします。
この場合、売上と消費税の内訳は以下の通りとなります。
(注) 正確には売上ではなく、「コインサンドから回収した金額」から「清算された金額」を減算した残額。
売上 952,380円 (1,000,000円÷1.05)
消費税 47,620円 (1,000,000円-952,380円)
1,000円の方が分かりやすいでしょうか。1,000円ですと以下の通り。
売上 952円 (1,000円÷1.05)
消費税 48円 (1,000円-952円)
千円分のメダルを借りるたびに48円の消費税を納めてるイメージです。相当納めてました。マジか!
ホール視点
「桐島とか関係ねーし、うち、内税だし」 「こっちは外税やで〜」
ホールの足並みは揃わない様子です(業界団体が5つありますから・・・)
以下3つの対応が予想されます。税率は8%。
ケース1 内税(現行)
売上 925円 (1,000円÷1.08)
消費税 75円 (1,000円-925円)
貸メダル50枚
ケース2 外税
売上 1000円
消費税 80円 (1,000円×8%)
貸メダル50枚
ケース3 外税(貸メダルを減らす)
売上 925円
消費税 75円
貸メダル 48枚
ケース1は消費税をホールが負担することになります。ケース2、3はユーザーが負担。
メーカー視点
「う〜ん、どうしよっか」「機械割下げる?」「う〜ん・・・」
メーカーはどこかよそ吹く風。
ケース1 特に対応せず
ケース2 機械割の下限を引き下げる
以上、増税前のユーザー、ホール、メーカーそれぞれの立場の対応を列挙してみました。
増税後・・・
増税後はどうなるでしょうかね。おそらく内税方式(ケース1)を採用するホールが多いと思うので、内税方式を採用した前提で、増税後のパチンコ業界をざっくり予想してみました。
本来、消費税は企業ではなく消費者が負担する制度なんだけど、ホールが内税方式を採用した場合、増税の負担全てホールが担うことになってしまう。
当然、ホールはこれに対応しなければならない。平均設定を下げて対応することも出来るけど、最も有効なのは機械代の購入予算を削ること。
メーカーとしては、パチスロの売れ行きが悪くなる、特に人気シリーズ機以外の売れ行きが悪くなる。そこで、人気シリーズ機の機械台を吊り上げて売上高減少を補填しようとする。
体力のない中小ホール、人気機種を有しない中小メーカーが廃業に追い込まれてしまうかも・・・
暗い予測をしてしまいましたが、市場規模が縮小するのは必至ですから、各社こもごもふんばりどころです。
記事タイトルの「桐島、パチスロやめるってよ」は、映画「桐島、部活やめるってよ」を文字って拝借させて頂きました。
各登場人物の視点、時間、空間が一点に収斂するラストシーンは鳥肌ものです。いい映画です。おすすめ!
2013.11.20